人気のスペインワイン【2022版】

おすすめのスペインワイン

意外かもしれませんが、スペインはフランスやイタリアに続くワイン大国で、スペインにおけるブドウ畑においては世界最大の栽培面積を誇ります。スペインのワインは、スペインが誇る魅力の一つなのです。

ブドウ畑の土台となる土地は長い間耕され、そして年季を重ねたブドウが美味しいワインの基となります。なぜそれらが美味しいワインを造り上げるのかというと、ブドウの木は年を重ねて根が深くなると収穫量は減る一方で、ブドウの風味が濃くなるため、価値のあるスペインワインが出来上がります。

またスペインでは、ワインのラベル付けにも厳しい法律が適用されています。そのため、新世界(ニューワールド)の多くの産地とは異なり、スペインワインはレゼルバ(Reserva)やグラン・レゼルバ(Gran Reserva)を名乗るために厳しい条件を満たさなければいけません。そのため、ラベルに記載されているこれらの用語は、単に記載されているだけでなく、実際に価値があることを示しているのです。

スペインワインにおいて、品質を保証するにはフランスワイン同様に厳格なアペラシオン*(原産地統制呼称)に基づいて認定を受ける必要があります。スペインは、アペラシオンによって、95以上の異なる地域に分かれており、多種多様なニュアンスを持つ高品質なワインが造られています。そのため、どのような好みにも合うスペインワインを見つけることができます。 最高級のスペインワインの多くは、ワインのアペラシオンがラベルに記載されています。

*アペラシオンは、スペインでは Denominación de origen/DO (デノミナシオン・デ・オリヘン)と呼ばれています。

人気のスペインワイン10選

ワイン専門店のスペインワインコーナーに行ったことがある方は、どれを選べばよいか分からず圧倒された経験があるかもしれません。スペインワインを選ぶためのポイントとして、アペラシオンを押さえておくと、お気に入りのワインを見つけるのに役立ちます。こちらでは、産地ごとにシチュエーションに合わせたおすすめのスペインワインをご紹介します。


特別な日に飲みたいスペイン赤ワイン

1.リオハ・グラン・レゼルバ(Rioja Gran Reserva)

スペインの赤ワインの中で最も有名なリオハ・グラン・レゼルバは、リオハエリアにおけるアペラシオンの頂点に位置するワインです。リオハ・グラン・レゼルバとは、ブドウのテンプラニーリョ種をベースにしたワインで5年間熟成されたワインであることを示します。リオハ・グラン・レゼルバの特徴は、革とスパイスの豊かな風味、ワインの木樽由来の熟成を感じられる代表的なワインです。

2.ヴィノ・デ・パゴ(Vinos de Pago)

ヴィノ・デ・パゴは、スペインワインの中でも比較的新しいカテゴリーです。この名称は、特に優れた単一のぶどう畑で造られる高品質なワインに与えられており、現在14のブドウ畑が認定されています。ヴィノ・デ・パゴには、既存の原産地呼称内にあるものもあれば、そうでないものもありますが、いずれも優れた評判を持つ高品質のワインを示しています。


リオハ・グラン・レゼルバ

今買っておいて、数年後に開けるのを楽しみにしたいスペイン赤ワイン

3.プリオラート(Priorat)

カタルーニャ州の赤ワイン、プリオラート。スペインでは、2つのワイン産地が最高の地域呼称であるDOCaを与えられており、プリオラートがその一つ(もう一つはリオハ)です。使っているブドウの品種は、主にグルナッシュ(ガルナッチャ)とカリニャン(カリニェーナ)で、芳醇で濃厚、力強い赤ワインです。

4.リベラ・デル・ドゥエロ(Ribera del Duero)

リオハの南に位置するリベラ・デル・ドゥエロでは、テンプラニーリョ種を使った高級赤ワインが造られています。リベラ・デル・ドゥエロは濃厚で骨格のしっかりした赤ワインで、熟成に適しています。


次に飲んでみたいスペインの赤ワイン

5.モンサン(Monsant)

モンサンのアペラシオンは、プリオラートに類似し、グルナッシュ(ガルナッチャ)とカリニャン(カリニェーナ)をブレンドした赤ワインに力を入れています。このエリアは成熟したブドウの木が豊富であることが知られており、プリオラートのワインと非常に似た性質を持っていますが、手頃な価格でも購入できる人気のスペインワインの一つです。

6.トロ(Toro)

トロは、スペインのテンプラニーリョのアペラシオンの一つで、しっかりた骨格に、タンニンを持つ赤ワインとして人気です。最近、投資があったことで、この地域に注目が集まっています。


今夜飲みたい、スペインワイン3選

7.フミーリャ(Jumilla)

フミーリャは、スペインで最も有名なムールヴェードル種(モナストレル)のアペラシオンです。完熟したジューシーさを感じる赤ワインで人々を魅了する、値ごろな価格帯のおすすめワインです。

8.バルデペニャス(Valdepeñas)

スペインの中央に位置するカスティージャ・ラ・マンチャは、スペイン最大のワイン生産地です。カスティージャ・ラ・マンチャでは、ブランデー用のブドウが多く栽培されていますが、積極的に「実験的な試み」が行われているエネルギッシュな地域でもあります。バルデペニャスのアペラシオンは、テンプラニーリョやカベルネ・ソーヴィニヨンなどの国際品種を使った高品質の赤ワインで特に有名です。

9.リオハ・クリアンサ(Rioja Crianza)

平日のディナーに合わせるワインとして特にオススメなのが、リオハ・クリアンサです。リオハ・クリアンサは、2年間の熟成(うち1年はオークでの熟成)が義務付けられています。この赤ワインは、飲みやすいだけでなく、価値もある人気のワインです。


最高級のスペイン白ワイン

10.アルバリーニョ(Albariño (DO Rías Baixas)

ガリシア地方が原産のアルバリーニョという品種の白ブドウを使った、アルバリーニョの白ワインは、黄金色の輝きを持つ黄色みのかったワインです。口に含むとフルーティーなアロマを感じられる、フレッシュでやわらかい白ワインで、シーフードとの組み合わせにオススメの白ワインです。

スペインワインの産地

スペインワインの産地は、伝統にしたがって12の産地に分けられます。

スペイン最大のワイン生産地はスペインの中央に位置するカスティーリャ・ラ・マンチャ自治州で、1,300万hl/haを生産し、スペインのワイン生産量の3分の1を占めています。第2位はカタルーニャ州で、550万hl/ha(全体の14%)を生産しています。 第3位はラ・リオハで、約500万hl/ha(全体の13%)を生産しています。

これらの大規模なワイン産地は、スペインのワイン法システムに基づいて更に小さなワイン産地にさらに分けられ、全部で138のワイン産地があります。


スペインワインの産地
Credit: Tyk (CC BY-SA 3.0)

最高級のスペインワインに使われる、ブドウの品種

スペインには豊富な種類のブドウの品種があり、スペイン全土では400種以上のブドウの木が植えられています。しかし、そのうち20種類のブドウの品種がスペインで造られるワインのほとんど(88%)を占めています。

代表的なスペインの黒ブドウは、テンプラニーリョ、ボバル、ガルナッチャ、カリニェーニャ、モナストレルです。簡単にまとめると、スペインはエリアによって最適な黒ブドウの品種が異なっています。以下の通り、エリアに最適な品種を3つに分けることができます。

  • スペインの中央と北部:テンプラニーリョ

  • スペイン北東部:ガルナッチャ

  • スペイン南東部:モナストレル

また、スペインの白ブドウで最も多いのは、アルバリーニョ、アイレン、ベルデホ、パロミノ、マカベオです。

日本でのスペインワインの状況

スペインワイン、その中でも特にカヴァ(スペインのスパークリングワイン)にとって、日本は重要な市場です。スペインのスパークリングワインの輸出額で日本は第6位の市場に位置しています。

しかし、スペイン赤ワインと白ワインに関しては、昨年1年間でその量は10%以上減っています。これらの減少傾向は、為替レートの悪さや、チリやオーストラリアといった他国との競争が原因のようです。

しかしながら、スペインはチリ、フランス、イタリアに次ぐ第4位の市場であり続け、また小売りにおいては最大のシェアを誇っています。